介護業界の問題点の1つが介護職は離職率が高いということ。
施設によってはもちろん離職率が低い介護施設も多くありますが、それでも全体的に見れば介護職って離職率が高いです。
それでも2016年以降は介護職の離職率はちょっとだけマシになってはきているんですけどね。
でもまだまだ離職率が高い傾向は続くのではないかなと思います。
私は数年前に老健大会(全国老人保健施設大会)で新人がすぐに辞めないための対策みたいな題で発表したことがあります。
脇汗たっぷりの緊張しまくりの発表でしたが… 笑
老健大会では全国の各老健の取り組んだことを発表する場なんですが、新人の離職率に関して取り組んでいる施設が多くあったのが印象的でしたね。
やっぱりどこの介護施設も離職率が高いんだなぁってその時あらためて思いました。
では何故介護職は離職率が高いのか?
また何故介護の転職に失敗する人が多いのか?
どうすれば介護職の離職率を少なくさせることができるのか?
これらのことについて記事にしてみました。
介護職の離職率が高い理由
介護職の離職率が高い理由は様々ありますが、いくつか離職につながるケースを紹介しておきます。
男性に比べると女性の方が離職率が高い傾向に
介護職の離職率が高い理由の一つに介護職は女性が多い業種というのも関係しています。
女性が仕事を退職する理由っていくつかありますよね。
20代や30代の女性だと結婚のために離職することも多いです。
またそういった年代の女性は出産や育児のために離職するとう方も多いでしょう。
40代や50代の女性の方なら自分の両親や旦那の両親の介護が必要なケースも珍しくなく、このことも離職につながってしまうことが多いです。
職場の人間関係に悩んでいる職員が多い
介護の現場で多いのが人間関係でのトラブルです。
あの人とは合わない、あの人と一緒に仕事をしたくない、あの人楽なことばっかりやってしんどい仕事は全部私がやっている…というような人間関係のトラブルが多いのも介護職ではあるあるです。
そういったトラブルを避けるためにあまり他のスタッフとは絡んでいかないという方もいますが、そうなってしまうとスタッフ間のコミュニケーションが不足し、それもまたトラブルの原因につながってしまいます。
上司との折り合いが合わない
上司との折り合いが合わずに離職しているというパターンも少なくないですね。
私が働いている介護施設でもこれまで3回ほど看護師長が変わっています。
当然看護師長が変わればやり方も考え方も変わってきますので、看護師長の考え方が理解できなければ離職につながってしまうケースもありますよね。
また上司の職員によって差をつける態度というのも離職の原因につながってしまいます。
給料の問題
介護職の離職率が高い理由に給料が安いというのもありますよね。
介護職の給料は国の対策で改善傾向にありますが、それでもまだまだ納得できる給料が
もらえているとは言えません。
処遇改善に関しては2019年の秋に大きな改善があるので介護士はそれに期待ですよね。
どうして介護職って転職が多いの?
介護施設に転職してくる方というのは他業種からの転職組もいれば、介護職から介護職への転職組も当然います。
介護職って比較的転職が多い業種というのが世間のイメージだと思いますが、実際に私も現場で働いているとそう感じます。
新卒で入職する方よりも中途採用で入職する人の方が圧倒的に多いですからね。
離職や転職が簡単に繰り返してできてしまうという現状も介護職の離職率が高い原因でもあるんでしょうね。
多業種からの転職組が介護への転職に失敗する理由
多業種からの転職組で介護への転職に失敗する最大の理由は介護だったら簡単に誰でもできるだろうという間違った考え方で転職をした方です。
ようするに安易な考えで転職をしてきた人ということです。
世間では介護って大変というイメージが根付いていますが、おじいちゃんおばあちゃんのお世話ぐらいだったら誰でもできるだろうと甘く考えている方がいるのも事実です。
でも実際に介護の仕事を始めてみるとイメージしていたよりも大変!
時間がない、トラブルも多い、給料も安いと入職する前のイメージとあまりにも違いすぎてそのギャップに耐え切れず離職してしまうというケースも多いです。
こんなはずじゃなかった…
こんなに大変だとは思わなかった…
こんなんじゃやっていけない…
そのまま退職…
理想と現実が違いすぎて辞めていく方の多くは入職して1ヶ月もたたないうちに辞めていく方が多いですね。
もうちょっと頑張れば環境にも慣れて、介護の面白さも分かってきて楽しくなってくるんですけどね。
介護職から介護職への転職で失敗する理由
介護職から介護職へ転職する方というのはだいたいが待遇面の不満で転職を考えたという方が多いです。
まあ待遇面だけでなく人間関係のトラブルで転職を考えたという方も多いと思いますが…。
より待遇がいい職場に転職できたとしても給料以外の不満を感じてしまい退職してしまうというケースも多くあります。
新しい職場の環境に慣れることができない
仕事の仕方が以前の施設とは全く違い受け入れることができない
前の施設よりも残業が多い
介護職ではそうやって転職を繰り返してしまうといったケースも多くあります。
介護職から介護職に転職を繰り返すことができるのはやはりそれだけ人材が不足している介護施設が多いという理由もありますよね。
もちろんすぐに新人が辞めてしまうというのは施設にも問題はあるのかもしれません。
新人を受け入れる環境が整っていなかったり、新人に対して全然親切に対応することができないといった施設もまだまだ多くあるのは容易に想像ができますからね。
私の施設に転職してきたベテラン介護士の話
以前私の介護施設に介護経験が10年以上ある介護福祉士が入職してきました。
この新人介護士は経験もあるので仕事をする上では特に問題なく働けていました。
でもあることが他の介護士には受け入れられなかったんです。
それは前の施設との比較です。
これは前の施設ではこうだったのでこうするすべきだ!
前の施設ではこうしていたけど、ここのやり方は違う!
とにかく前の施設との比較がすごくて他の職員が「何なのあの人」ってなってしまったんですよね。
もちろんこの新人さんが言うように他のやり方の方がいいこともあるかもしれませんが、これを愚痴のように他の職員に言ってしまうと「この人めんどくさい…」ってそりゃなりますよね。
介護職への転職に失敗しないためにはどうすればいいのか?
介護職への転職に失敗してしまう理由をいくつか考えてみましたが、ではどうすれば介護職の転職に失敗しないのか?
まず他業種からの介護職に転職した人が失敗しないためには、自分が本当に介護の仕事をやっていけるのかをしっかりと考える必要があります。
介護士ってどんな仕事内容なのか?
実際に介護の現場ではどういう環境で働いているのか?
自分が思う介護士のイメージと現実が大きくかけ離れていなければすぐに再転職を考えるというようなことは防ぐことができます。
転職をする前に職場を見学するというのも1つの手段ですし、介護経験者に話を聞くというのも効果がありますよね。
私もはコンピューター会社からの転職組です。
初めて入社した介護施設は特養だったんですが、特養に入社する前に整形外科のリハビリで働いていたので老人の特性というのはある程度は理解はしていました。
それと特養とはどんな施設なのか?というのもある程度は理解はしているつもりでした。
それでもやはりギャップというのはあったので苦労した記憶がありますね。
まあ初めての施設は新人を教育するという環境が整っていなかったというのもありますが…。
やはり転職をする前にその介護施設がどんな施設なのかを調べることは大事です。
多業種からの転職だと介護士は普段どんな仕事をしているのか?をしっかりと情報収取することも大事です。
介護士がどんな仕事をするのかをしっかりと把握し、それでいて転職先である介護施設がどんな施設なのかを職場見学や実際に働いている方の話を聞いたりすることができればある程度の職場の雰囲気は入職前に把握することができますよね。
職場見学や働いている方の話を聞くだけでも転職の失敗のリスクは少しは減らすことができますよ。
職場見学や働いている方の話を聞くことが難しいのなら転職に関してのプロである転職コーディネーターの話を聞いてみるのも効果的ですよ。
転職コーディネーターなんてどこで知り合うことができるの?と疑問に思う方もいるかもしれませんが、転職サイトの中には転職のコーディネーターがいているところもありますからね。
転職コーディネーターで有名な転職サイトといえばハートフル介護士です。
ハートフル介護士ではブラック企業を取り扱わないことを目標に専属のコーディネーターがいています。
このコーディネーターは実際に介護施設をチェックし職員に優しい職場なのかをしっかりとチェックしてくれているのでかなり頼りになる存在ですよ。
まとめ
やはり転職を繰り返していると精神的な負担が大きくなってきます。
どこに行っても自分は働けない…
自分にあった職場なんて見つかるのか…
そんな負担を感じないためにも多業種からの転職であれ介護職から介護職への転職だとしても失敗しない転職をすることが大事ですよね。
介護職は他の業種と比べても転職が多い職業ではあります。
しっかりと職場に関して、介護士に関しての情報収集をし働きやすい職場を見つけてくださいね^^