介護施設で同じ事を何度も言う利用者に対して有効な対応とは?

介護の知識

認知症の症状の1つに同じ事を何度も言う利用者がいます。

これめちゃくちゃ多いです。

 

トイレに行って帰ってきてすぐにまたトイレに行きたい!

ご飯を食べたばっかりなのにご飯まだか?

 

これって認知症の症状の1つなので仕方がないことなんですよね。

 

ある程度介護士としての経験を積めばどう対応したらいいのか?というのが分かってくると思うんですけど、これがまだ経験も浅い介護士の場合だとどう対応していいのかが分からない!と悩んでいる方がけっこういます。

 

また何度も同じ事を言われるからストレスを感じるという介護士もいます。

 

新人さんからも何度も同じ事を言う方に対してどう対応したらいいのか教えてくださいという質問が多くあります。

 

介護施設で何度も同じ事を言う利用者に対して絶対にこうすべき!という明確な答えはありませんが、こうすればうまくいくことが多いよっていうのを記事にしてみます。

 

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介護施設にいる利用者が何度も同じ事を言うのは認知症という病気のせい

何度も同じ事を言うのは認知症の症状の1つです。

 

なので利用者が何度も同じ事を言ったとしても介護士は「何回同じ事を言うんだ!」と怒っても仕方がないんです。

 

というか利用者に対して怒鳴るような行為は介護士として失格ですけどね。

 

病気なんだから仕方がないわけです。

 

例えばあなたが風邪をひいて熱が出たとします。

熱が出てしんどい状態なのに他人に「熱を出すな!」って言われたらどう思いますか?

風邪なのに熱を出すなってどういうこと…

 

極端に言えばこれと同じことなんですよね。

 

そう考えたら認知症という病気のせいで同じ事を何度も言ってしまっているのに、何度も同じ事を言うな!って怒れませんよね?

 

何度も同じ事を言う症状は認知症による短期記憶障害が原因です。

 

短期記憶障害というのはついさっきのことを忘れてしまうという症状です。

 

ついさっきトイレに行ったことを忘れている

ついさっき食事したことを忘れている

 

多い方だと短時間の間に何十回も同じ事を言っていますね。

 

何度も同じ事を言う利用者に対して介護士はどういう対応が望ましいのか?

何度も同じ事を言う利用者に対して介護士はどういう対応をすれば利用者が納得してくれるのか?

 

これは新人介護士に限らずベテラン介護士でも悩むことってけっこうあるんですよね。

 

だってこれが正解という明確な答えがないんですから。

 

人によってはその対応で問題がなかったとしても、他の利用者には通じないことなんてしょっちゅうありますからね。

 

なのでこれが正解!という答えがないのが介護の難しいところなんです。

 

経験を積めばある程度の対応パターンというがあると思うので、イロイロ試してみることができますが、経験がない介護士の場合だとどうすればいいのか困惑するのは当然です。

 

何度も同じ事を言う利用者に対しての対応で失敗のケース

何度も同じ事を言う利用者に対してこうすべきという明確な答えはありませんが、
これだけは絶対にしない方がいいという対応があります。

 

それが、

 

利用者の言うことを否定する

 

相手の言うことを否定するような言動は介護士としては避けるべきです。

 

利用者の言うことを頑なに否定するのは対応として間違いと言えるんですね。

 

それは何故かというと利用者は短期記憶障害のせいでついさっきのことを忘れている状態です。

 

さっきご飯を食べたことを忘れているから早くご飯が欲しいって思うのは当然ですよね。

 

利用者はまだ食べてないって思ってるわけですから。

 

利用者は食べてないって思っているのに介護士は「もう食べたでしょ!」って言っても、

 

何訳分からんことを言っているんだ…

 

そりゃこうなりますよね。

 

食べてないと思っているのに食べでしょ!なんて言われたらそりゃ利用者も怒ったり悲しんだりしてしまいますよ。

 

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何度も同じ事を言う利用者に対しては何か別なことに意識を向ける

じゃあこういう場合は介護士はどう対応したらいいのか?

 

実際にはご飯はもう食べているので用意することはできません。

 

こういう場合は利用者が食事以外の何か違うことに意識が向けるような声かけが必要だと考えます。

ご飯まだ?

このテレビ面白いですねぇ

早くご飯をくれ!

これはちょっと極端すぎですw

利用者の意識をうまく誘導できていないのその後もずっとご飯の欲求をしてきます。

 

ご飯まだ?

今食事の用意をしているのでちょっとお茶を飲んでテレビでも見ててくださいね

分かった。でも早くしてよ

分かりました

これなら自然とテレビに意識を向けることができますよね。

 

ご飯はまだなの?

まだ時間がありますので食事までちょっと散歩でもしましょうか?

これも利用者の意識を散歩に向けることができますので有効な場合が多いです。

 

食事という意識を何か別なことに意識を変えるというのは何度も同じ事を言う利用者に対してかなり有効な手段といえます。

 

でも中には断固として食事に執着している利用者がいるのも事実です。

 

こういう利用者に対しては

今準備しているのでもうちょっとお待ちくださいと時間をかけることも重要ですね。

 

時間がたてば食事への意識が薄れて他のことを考えている可能性もありますから。

 

今回は食事に関して何度も同じ事を言う利用者のパターンを紹介しましたが、トイレや帰宅願望などに関しても他のことに意識を向けるという対応は有効ですからね。

 

何度も同じ事を言う利用者の対応まとめ

介護施設では食事やトイレ、または帰宅願望など何度も同じ事を言う利用者はけっこう多くいます。

 

何度も同じ事を言うのは決して介護士をおちょくっているわけではなく、認知症という病気のせいでそうなってしまっているので介護士ならそのことは理解しておかないといけません。

 

病気のせいで何度も同じ事を言っている

 

このことを理解しておけば感情的にならずにうまく対応することができると思いますよ。

 

何度も同じ事を言う利用者の対応に悩んでいる方も多いと思いますが、相手の言うことを否定せずにどう対応したら利用者の気が違うところに向けることができるのか?を考え対応するようにしてください。

 

こういう対応が上手な方というのは経験が豊富でいろんな引き出しを持っている方が多いです。

 

この利用者にはこういう対応がいいな、こういう状態になったらこうしたらうまくいくんじゃないかな?ってのを常に頭の中でシュミレーションができているんですね。

 

まだ経験が浅い方はまだそこまで考えられないかもしれませんが、経験を積めばいろんな対応が見えてきます。

 

これから経験を積んでいろんな対応ができるよう頑張ってくださいね!

 

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