高齢者ともなれば自歯だけで食事を食べている方って少なくなります。
私が働いている老健でも自歯だけで食べている方もいますが、やはり多くの方は義歯(入れ歯)を装着しているのが現状です。
でもこの義歯ってけっこう介護士を悩ませる原因でもあるんですよね。
たかが義歯でしょ?
って思う方もいるかもしれませんが、今回の記事は介護士が義歯に対してどういう問題を抱えているのか?について記事にしてみました。
総義歯と部分義歯の違いとは?
義歯(入れ歯)といっても種類があって総義歯と部分義歯の2つに分かれます。
総義歯とは自分の歯が全くない方が使用する義歯のこと。
部分義歯とは自歯が残っている状態でところどころの歯が抜けている方が使用する義歯のことです。
夜間は基本的には義歯は外して寝る
夜間就寝する時って義歯は外して寝るのか?
これについてはけっこう疑問に思う方も多いんですよね。
特に新人介護士の方なんかは疑問に思う部分ではあると思います。
状況にもよるんですが基本的には夜間は義歯を外して就寝します。
その理由は次の通りです。
寝ている時に義歯を飲み込んでしまう(誤飲)可能性がある
総義歯だとなかなか飲み込むまではいかないとは思いますが、部分義歯というのは大きい物もあれば1本だけ等の小さい義歯もあるんですね。
寝ている間に義歯が外れて飲み込んでしまう可能性もあるわけです。
私も何回か夜間に義歯を飲み込んでしまったという事故を発見したことがあります。
その時は「えっ!?まさか…」って感じでしたが、レントゲンで見るとハッキリと義歯の影があったんです。
なので夜間はできるだけ義歯は外して就寝した方がいいです。
細菌の繁殖
寝ている間というのは口腔内に細菌が繁殖しやすい状況になります。
これは唾液の量が減ることが原因なのですが、義歯を装着している状態で寝てしまうと義歯の周りに細菌が繁殖しやすくなるので寝るときはできるだけ外した方がいいです。
義歯を外さずに就寝してもらうケースもある
基本的には夜間は義歯を外してもらうと言いましたが、これは状況によっても変わってきます。
どういうことなのかというと、利用者の中には寝ている間でも義歯を着けて寝たい!という方もいるわけです。
義歯を外すと心配になって不穏になる
こういった方については夜間でも義歯を着けて寝てもらう方がいいのでは?と考えます。
もちろん義歯を装着したまま寝ているというのは危険な状況(特に部分義歯の方)ではありますので夜間の見回りはこまめに行う方がいいですね。
認知症の方は義歯を外してしまい紛失が多い
介護士を悩ませるのが義歯の管理です。
義歯ってよく紛失してしまうんですよ 汗
利用者の中には自分で義歯を管理したい方もいるわけですから、ベッド周辺にポイッて置いていることも多々あります。
義歯をティッシュにくるめて置いている方もいますからね。
間違ってゴミ箱に捨ててしまう…なんてことも多々あります。
認知症の利用者だと義歯をいろんなところに入れてしまうこともありますからね。
ズボンの裾から義歯が見つかるとか、朝食後の牛乳パックの中から義歯が発見されるとかホントに予想もしないところに義歯を入れいていることがあるんですよ。
義歯の管理はできるだけ介護士が行う方がベスト
やはり義歯の管理は介護士が行うべきだと思います。
もちろん自分で管理したいという利用者に対しては本人の気持ちを尊重してあげるべきだとは思いますけどね。
また義歯をつけていないと落ち着かない方も多いですので、そういった方は義歯を装着しておいた方がいいです。
義歯の管理方法
施設によっては義歯の管理方法って様々だとは思います。
義歯って直接名前を書くことができないので他人の義歯と入り混じってしまうともう大変なことになるんですよね。
中には義歯に名前が入力されている義歯もありますのが、全ての義歯がそうとも限りません。
私の施設では入所時に義歯の写真を撮っているんです。
そして義歯一覧を作成し、義歯が他人と入り混じって分からなくなった場合でも対応できるようにしています。
義歯を無くしやすい利用者に関しては毎食後に義歯を預かり管理しています。
日中義歯を外さない利用者に関しては夜間のみ義歯を預かり洗浄しています。
何もかも自分で管理したいという方は基本的にはその方に任せていますが、食事の前後には義歯をつけているかどうかの確認はしていますね。
義歯の管理は介護士が行うべき理由のまとめ
介護士は義歯は紛失しやすい物として認識することが大事。
認知症利用者は義歯を紛失することが多々ある。
義歯ってそこまで重要視されにくい物ではありますけど、管理はしっかりと行わないと紛失してしまうことも多々あります。
また利用者が飲み込んでしまう事故も多く発生していますので、介護士は義歯がちゃんとあるのか?また口腔内にしっかりと装着されているのか?をしっかりと確認する必要があります。
たかが義歯と思わず義歯の管理をしっかりするようにしてくださいね!