こんにちは!
認知症の方の対応に毎日悩んでハゲそうになったことがある介護福祉士のレン(@renkaigofukusis )です。
介護士の悩みの一つに認知症の方への対応があります。
認知症って人によって症状が様々ですし、これが正解っていう対応がなかなか見つからないのが悩みの原因なんですよね。
ベテラン介護士でも認知症の対応に手を焼くことがあるのに、新人介護士だとしたらなおさら対応に悩むことも多いと思います。
今回は認知症の方への対応はどうしたらいいの?と悩む新人介護士さんにちょっとしたアドバイスを送るための記事になります。
認知症とは
認知症って世間でのイメージでは
っていう認識ですよね。
認知症と一言でいっても種類はいくつかあります。
アルツハイマー型認知症もあれば血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症などいろんな認知症の種類があるんですね。
この中で多いのがアルツハイマー型認知症です。
認知症はいづれも脳で起こっている障害が原因で症状が出てきます。
記憶障害であったり、人物や場所、物、時間が分からなくなるといった見当識障害が起こったりと、一人では日常生活ができなくなってくる症状が現れてきます。
私の介護施設でもほとんどの利用者が認知症を患っているというのが現状です。
普段あまり認知症の方と接することがないという方が認知症の方と接するとどう対応していいのか分からないって困惑するはずです。
認知症の対応に正解はない?
認知症の症状ってホントにイロイロあります。
人によっても症状って違いますし、行動も変わってきますからね。
何が正解で何が間違っているというのは一言では良い表すことができないんですよね。
なのでまだ経験が浅い新人の介護士が悩むのも当然なんですよね。
だって正解がないんですからね。
ベテラン介護士でも認知症の対応に悩むことも多々ありますよ。
私もどうしようかな?って悩むことってしょっちゅうです。
ベテラン介護士が認知症の対応ができるのは引き出しの多さ
それでも新人介護士がベテラン介護士の対応を見ていると対応が上手いなぁって思えるのは、ベテラン介護士には認知症の方の対応についての引き出しが多いからなんですよね。
引き出しというのはこれまでの経験によってどんどん多くなります。
こういう利用者がいればこう対応してみよう!
この対応ではダメだったかこっちの対応を試してみようかな
この対応でもダメだったからコレとコレを同時に試してみようかな
というように認知症の方に対してこれまでの経験から得たいろんな引き出しを持っている
から臨機応変に対応することができるんですよね。
新人にはまだこの引き出しはありません。
いろんな経験をして引き出しを多くしていくしか方法がないんですよね。
先輩介護士のやり方を見て学んで覚えていくことが大事ですよ!
介護福祉士の受験資格に経験年数が3年以上必要というのはこういう引き出しを多く持った介護士のプロじゃないといけないというのも理由の一つなんでしょうね。
介護士同士のコミュニケーションを密にして認知症の対応を!
認知症といっても人によって症状が様々ですので、一人一人に合わせて対応を考えなければいけません。
この利用者にはこういう対応をすれば落ち着くけど、別の利用者には同じ対応をしても通じないってこともしょっちゅうです。
なので一つの方法にとらわれずにいろんな対応を考えなければいけないわけです。
また一人の利用者に対して介護士が別々の対応をしてしまうと利用者が困惑するので、できるなら同じ対応をして利用者を惑わさないことが大事です。
利用者に対して同じような対応をするためにはやはり介護士同士のコミュニケーションが大事です。
普段からこの利用者にはこういう対応をしましょうね!っていう話し合いができている介護施設というのは新人が認知症の対応に対してストレスを感じにくい環境なんですよね。
認知症の対応にストレスを感じるのなら自分が認知症の立場になって考えてみる
認知症の対応に悩んでストレスを感じている介護士は多いです。
何回同じことを言わせるの!
何回トイレに行けば気がすむの!
食事はさっき食べたでしょ!
世間では高齢者に対して介護士による虐待が起こっているという悲しい事件も多く報道されていますよね。
おそらく認知症の対応へのストレスが原因でそうなってしまったのかなぁって想像できますけど、悲しい現実ですよね。
認知症のことを理解しなきゃいけない!って口では簡単に言えますが、実際に認知症の対応をしてみると頭では分かっていても目の前で同じことを言われてしまうとキィーってなってしまう気持ちも分かります。
それでも介護士として働いているのなら理性をコントロールして対応しなければいけません。
感情気ままに働いている新人さんってけっこう多くないですか?
利用者にこんなことを言われたからイライラして表情に出てしまっているって新人さん。
そりゃ介護士も人間ですからね。
何かを言われてイラッてすることもありますよ。
でもそんな時にでも感情をコントロールしなければいけないんですよね。
もし認知症の方への対応で悩んでいるのなら、自分が認知症の方の立場になって考えてみるという方法もありますよ。
私もよく自分が利用者と同じ立場になったらって考えることがあります。
例えば、

トイレに行きたいんだけど…

さっき行きましたよ!

でもトイレに行きたいんです…

さっき行ったところだからまた後でね!

それでもトイレに行きたいんです…

もう!!!
このようなトイレに行きたい高齢者と介護士の会話は介護施設ではよくあるシーンです。
利用者の方はさっきトイレに行ったばかりだけどまたトイレに行きたいという思いがあるわけです。
介護士はさっきトイレに行ったばかりだから、今またトイレに行っても出ないと思っているってことですよね。
この介護士の対応は正解なのか?と聞かれれば不正解と言わざるを得ません。
利用者はさっきトイレに行ったことを忘れている、もしくは尿意があいまいで出るかどうかが分からない状態です。
この利用者と同じ状況をもしこの介護士がしたとしたらこんな感じです。
介護士自身がデートに出かけていたとしてトイレに行きたいと思った。
けどこの介護士は10分前にトイレに行っているがそのことは忘れてしまっている。
もしくはまたトイレに行きたいと思った。
介護士が彼女にトイレに行ってくるねと伝えると、彼女はさっき行ったばかりだから今はいかないで!と言われてしまうと、この介護士はどう思うでしょうね?
トイレに行きたいのに我慢しろってこと?
この人何言ってんの?
漏らしたらどうするんだよ?
喧嘩勃発ですよね。
認知症の利用者もこの介護士と同じような気持ちになっていると想像することができませんか?
介護士として考えなければいけないことは、
さっきトイレに行ったことは忘れてしまってるんだろうな
排尿の感覚が悪くなっているから出たかどうかが分からないんだろうな
漏らしたくないって気持ちが強いんだろうな
今度は排尿じゃなくて排便なのかな?
というようなことを考える必要があるわけです。
もし自分が利用者と同じような立場だと考えることができれば?
認知症の方への対応に対してもストレスを感じにくくなってきますよ^^
食事に関しても介護施設でよくあるシーンがあります。

食事はまだですか?

さっき食べましたよ

私はまだ食べてないんですが?

○○さんもさっき食べましたよ

私は食べてません!お腹が空いたんですが?

さっき食べたばかりだから次の食事まで我慢してください
食事を食べたことを忘れている利用者も介護施設では多いです。
私の施設でも深夜の2時くらいに起きてきて、お昼ご飯はまだですか?って言う利用者さんがいました。
かわいいおばあちゃんでしたね 笑
もし介護士が同じ立場だとしたらこんな感じです。
ご飯食べたけどお腹が空いた
さっき食べたじゃん!
それでもお腹が減ってるんだよ
さっき食べたばかりだから我慢して!
何か食べ物ない?
何もないから我慢して!!
なんかないの!?
ないって言ってるでしょ!!!
お腹が減ってるんだよ!なんだよその態度は!!
これって健常者の方でもあるあるですよね。
認知症の方はご飯を食べたことを忘れてしまっている
食べたことを忘れているからお腹が減っていると認識している
何も食べてないのに食べたと言われると自分だけ何も食べさせてもらっていないと感じる
という考えになるわけですよね。
この時に介護士として考えなければいけないことは、
ご飯を食べたことを忘れているんだな
さっき食べたばかりだけど本当にお腹が空いているのかな?
お茶でも飲んでもらおうかな?
何か他のことに意識を向けてあげた方がいいのかな?
こういう考えを持つことが大事ですよね。
さっき食べたばかりだから同じことを何回も言わないで!!!
こんな対応は介護士として最低ですよ…
まとめ
認知症は病気です。
なので介護士は認知症は病気というのを理解して認知症患者さんに接することが大事です。
同じことを何回も言うのは病気なんだ
さっきのことを忘れてしまっているのは認知症という病気のせいなんだ
このことを忘れてしまうと「同じことを何回も言わないで!」という健常者と同じ目線で物事を考えてしまうことになりストレスを感じるようになってきます。
認知症の患者さんにはいろんな目線で対応することが大事です。
自分がもし認知症の方と同じ立場になってみたら?というのを考えてみると冷静になれることもあるかもしれません。
感情のまま行動を起こしていたら介護士なんて仕事は務まりませんよ。