今回の内容は先月に介護未経験で入職してきた55歳の男性の方の話です。
入職してもう1ヶ月がすぎました。
早すぎる…
自分もあっという間に50代、60代ってなっていくんでしょうね。
ホントに2倍速、3倍速で人生が進んでいる感じ。
私が勤めている介護施設ではここ数年で50代の方の新人さんってわりと多いんです。
その中には他の施設から転職してきた方もいれば介護未経験で入職してきた方もいます。
ちょっと前までは50代で介護の経験がなく介護施設に転職するのってすごいなって思っていたんですけど、今はわりと当たり前みたいな感覚になっていますねぇ。
今回の55歳の新人さんの教育状況も含めて、これまで50代で入職してきた方と今回55歳で入職してきた方とでは教育の進捗状況はどう違うのか?についても書いてみたいと思います。
入社1ヶ月!55歳男性の新人介護士の教育の進み具合は?
55歳の男性が介護未経験で入職してきて1ヶ月がすぎました。
前回は入職後2週間目の状況を報告しましたが、入職後2週間の段階ではいくつか問題点もありました。
利用者の顔と名前が覚えられていない
業務のスピードを上げたいと思っている
質問が少ない(ほぼない)
これらの問題点については次のような対策を取るようにしたんです。
利用者の顔と名前が覚えられない
やっぱり自分が話しやすい利用者の顔と名前は一致しているんですよね。
毎日話をすればそりゃ覚えますよ。
あとこの人は苦手!って思っている方も名前を覚えていましたね。
自分の中で苦手意識のある利用者って記憶に残りやすいのでこれも分かる気がします。
問題は可もなく不可もなくという利用者です。
こちらから特に話しかけることもなく、かといって問題行動がない利用者に関しては名前と顔がまだ全然一致していませんでした。
なので名前を覚えている利用者よりも普段あまり会話しない利用者とコミュニケーションを多く取るように指示しています。
介護施設で働くなら全員の顔と名前が一致しないことには先に進めません。
顔と名前が一致しないことにはその方の特徴やADLなんかも理解できませんからね。
業務のスピードを上げたいと思っている
業務のスピードに関してはちょっときつい言い方かもしれませんが、そこを意識するくらいなら業務を覚えることを優先してくださいと伝えています。
遅くても全然大丈夫なので業務を確実に覚えること!
業務スピードを上げるには業務の習得が大前提!
この方には口うるさく言っていく必要があるのかなって思います。
質問が少ない(ほぼない)
1ヶ月がすぎましたがあいかわらず質問が少ないですね。
業務の説明中は「ハイ、分かりました」と素直に答えるんですが、じゃあコレはどうやったらいいですか?と逆質問をすると「…」な状態です。
つまりアレコレ指導をしているけど、ちゃんと理解できていないという証拠ですよね。
教育担当者も言っていました。
その日教えたことは次の日になるとリセットされているんですと…。
これじゃあいつまでたっても成長なんてしませんよね。
2ヶ月後、3ヵ月後も同じことを繰り返してしまう可能性が非常に高いわけです。
そこで新人さんに考えさせる時間を強引に作るようにしました。
通常であれば新人さんには業務終了の10分前くらいに日報を書いてもらって、その日に行ったことや質問などを書いてもらい、それに対してその日の担当者が返答を書きます。
次の日に新人さんはその日報を見て質問への返答を見るようにしているんですね。
これを業務終了の30分前に教育担当者と一緒に日報を書いてもらい、その日の振り返り、今日教えたことを全て報告してもらう、教育担当者からこれはどうだった?等の質問をして新人さんから発言をさせる。
新人から質問が出やすい環境を作ったわけです。
出やすいというか無理矢理質問させる環境を作ったということ。
教えたことを再度考えさせる時間を作ることで今日行ったことを意識づけることができるのでは?と考えたわけです。
普通日報なんてマンツーマンで書きませんよね。
僕だったら近くに来ないで!一人で書かせて!って感じですからね。
でもこの新人さんには最初の2週間の日報はただ書いてるだけでなんの振り返りもしてない意味のないことだったんです。
50代の男性にマンツーマンで日報を書かせるなんてどうなの?と思われるかもしれませんが、この方は仕事に対しての意識がちょっと低いなというのが正直な感想ですね。
業務に関しての教育状況
さすがに毎日日勤業務をしているとその日の流れというのは理解できてきますよね。
この新人さんも日勤の流れというのはある程度は理解できているかなという印象です。
たまにあやしい時もありますが…
まあそれくらいは別に問題じゃありません 笑
問題なのは「できました!」と言ってきた後に確認をするとできていなかったということが多々あることです。
例えば入浴の準備に関してです。
入浴の日は事前に療養着、下着類、パット類を用意するんです。
これは入浴準備表に利用者の名前、どのパットを使用しているのか、療養着のサイズは何なのかというが書かれているので、見れば分かるんです。
新人さんから準備ができましたと返答があったので確認するとパットの種類は間違っている、療養着のサイズは違っている、肌着が2枚入っているような状況でした。
これを新人に確認すると、時間がありませんでした…と。
ん?
自分でできたって言ってきたのにもかかわらず時間がなかったってちょっと意味が分からない…
なので1つずつ確認してみたんです。

パットの種類は理解できていますか?

ハイ

じゃあこのパットはなんていうパットですか?

…

理解できていないんですか?

ハイ

じゃあどうやって入浴の準備をしたんですか?

なんとなくできると思っていたので…

なんとなく…
つまり入浴の準備を理解していないってことですか?

そういうことだと思います…

じゃあ分からいのなら何故聞いてこないんですか?

できると思ったんで…
教育担当者がその日の出来事は次の日にはリセットされるというのはこういうことだったんですよね。
教えてもらって分かったつもりでいる…
分かったつもりでいるから質問をしない…
でも実際にやってみるとできない…
また準備ができましたという返答をしたのは、まだ業務スピードを意識している可能性があります。
時間はかかっても確実な業務をしてくださいと再度伝えました。
こういうことも含めて日報を書く時間に細かく確認し、考えさせる時間を作っているわけです。
過去の50代の新人と今回の新人の教育の進捗状況を比較
私の介護施設では過去に50代の男性の新人さんが何人かいました。
何人いたかはちょっと覚えていないですが、私が覚えているだけでも今回の新人さんを含め4人かな?
じゃあ過去の3人の50代の新人さんは入職して1ヶ月でどういう状況だったのか?
介護経験者の方が2名
介護未経験者の方が1名
介護経験者の方のうち1名は1ヶ月で退職。
もう1人は今でも働いています。
退職した方はとにかく我が強く、自分の考えを曲げない人でしたね。
事あることに前の施設と比較するという方でした。
説明をしても舌打ちすることも多く、みんなイライラしていた記憶があります。
私も1度その方に舌打ちされたことがありましたが、
「ま、まあいいわ…」と流しました。
大人な対応じゃないっすか?笑
でもさすがにプチッときたのが利用者に対して舌打ちをしていたことです。
オムツ交換の最中にこちらの言っていることが理解できない利用者に対して舌打ちをしていたんですよね。
このことが原因で退職という流れに。
もう1人の経験者は入職して2ヶ月ほどで夜勤業務を開始しましたね。
とにかく覚えようという意識が強く、しつこすぎるくらい質問があったように思います。
メモもものすごく取っていて業務の習得も早かったですね。
入職して1ヶ月目にはもう1人で大丈夫って感じでした。
もう1人の未経験者の方はこちらから指示しないと動けないタイプでした。
業務に対しては真面目なんですけど自分からあまりしゃべりかけないタイプの方です。
物静かというか無口すぎる方です。
なので利用者とのコミュニケーションに苦労していましたね。
真面目なので教えたことに対しての理解は早かったんですが、実践となると動けなくなる感じ。
最初の1ヶ月は今回の新人さんより業務習得はできていたけど、コミュニケーションに関しては今回の新人さんの方ができているという状況ですね。
ちなみにこの方は夜勤業務開始までに約1年かかりました。
よく頑張ったなぁって思いますよ。
介護未経験の55歳の男性介護士の1ヶ月の教育状況まとめ
入職後1ヶ月がたった印象では仕事に対しての意識が低いなというのが正直な感想です。
仕事ができるできないはそこまで問題にはしていません(まあ仕事ができるにこしたことはないですが…)が、仕事に対して一生懸命に取り組む姿勢はすごい大事だと思っています。
物覚えが悪くても一生懸命に頑張っている姿って応援したくなるんですよね。
またそういう一生懸命な姿って周りに対しての印象も違ってくると思うんです。
あの子頑張ってるからちょっとアドバイスしてあげようかなとか、ちょっと失敗しても大丈夫大丈夫と声をかけられる優しさって生まれてきますよね。
今回の55歳の新人さんはその一生懸命さが足りないというのが残念なところですね。
一生懸命に頑張ろうという姿が見えないから周りからもいい印象を持ってもらえない…。
仕事を覚えようとする気持ちが足りないから失敗を繰り返す…
この55歳の新人さんを育てるにはまずは仕事に対しての考え方を変えていかないといけないって思います。
せっかく介護の仕事を始めようと思ったんですから頑張ってもらいたいんですよね。
ちなみにこの方は精肉業から介護職への転職してきたようです。
精肉業から介護職への転職ってちょっとイメージがわきませんが、どういういきさつで介護業界に来たのかまた聞いてみますね^^